休日、温水プールでひと泳ぎした帰り、Kは通ったことのない道を通った。見たことのない公園、馴染みのない居酒屋、初めて通る小さなトンネル。 「平衡律研究所」。そんな看板のかかった、トタン屋根のさびれた工場が目についた。入口が開け放たれて、中は真っ暗だった。入口の上の隅には、大きな蜘蛛の巣がかかっている。 …